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2022.08.26

SDGs目標15「陸の豊かさも守ろう」とは

持続可能な開発目標(SDGs)とは

年々深刻化する気候変動、生物の減少、貧困の拡大、ジェンダー問題……。世界は今、さまざまな環境・社会問題に直面しています。

こうしたグローバルな問題を解決していこうと、2015年の国連サミットで「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」が採択されました。
このアジェンダの中で2030年までに達成する世界共通目標として掲げられたのが「持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)」です。

SDGsは17の目標と169のターゲットから構成され、気候変動や生物多様性などの環境面、教育の普及や貧困の撲滅などの社会面、そして経済成長や技術革新などの経済面と三つの側面から持続可能な社会の実現をはかろうとしています。

SDGs17の目標

SDGsの前身であるMDGs(Millennium Development Goals:ミレニアム開発目標)は主に開発途上国を対象としていましたが、SDGsは「誰一人取り残さない(leave no one behind)」をスローガンとして掲げ、先進国も含めた全ての国を対象としています。
ですので、日本も含め、全ての国がアジェンダの前文に書かれているように、「人間、地球及び繁栄のための行動計画」としてSDGs達成に取り組んでいくことが求められています。


目標15「陸の豊かさも守ろう」の背景にあるもの
北海道産の広葉樹を使用し、使った分量に見合う広葉樹を再び北海道に植えるーーikumoriプロジェクトが特に関連するのが目標15「陸の豊かさも守ろう」です。
目標15では、森林をはじめ、湿地や山地、乾燥地をはじめとする陸地の生態系の保全と回復をはかると同時に、そこに生きる動植物を守ることを目標としています。
なぜこのような目標が掲げられたのでしょうか。

拡大し続ける森林減少

森林は地球の陸地面積の3分の1を占めています。過去30年間(1990年から2020年)で1億7800万ヘクタールもの森林が失われました※1。
近年、減少スピードは緩やかになっているものの、直近10年間(2010-2020)でも熱帯雨林を中心に毎年470万ヘクタールもの森林が減少しています※1。
これは1分に東京ドーム2個分の広さに相当する森林が失われている計算になります※2。

こうした世界的な森林減少を背景に、目標15では森林減少を阻止し、世界全体で植林を増加させることを目標として掲げています。

価値ある森林をどう守っていくか。最近では森林破壊を止めようと、世界的な動きも加速しています。
2021年に英国・グラスゴーで開催されたCOP26(国連気候変動枠組条約第26回締約国会議)​​では、2030年までに森林消失と土地の劣化を食い止め、回復させる「森林・土地利用に関するグラスゴー・リーダーズ宣言」が出され、日本を含む140以上の国・地域が参加しました。今後、国、企業、地域、さまざまなレベルでの森林保全が加速することが予測されています。

目標15で動植物を守ることが掲げられている理由はなんでしょうか。

第六の大量絶滅時代が到来?
地球上には500万から3,000万種もの生き物がいると推定されています。
しかし、人類が把握できているのは約175万種にすぎません。
そのうち、1から3割が絶滅の危機にさらされているといわれています※3。
たとえば、IUCN(国際自然保護連合)の調査​​によると、評価対象となった約147000種のうち、哺乳類の27%、鳥類の13%、両生類の41%が絶滅の危機にあるとしています※4。
この状況を「第六の大量絶滅時代」と称する生物学者も現れはじめています。

絶滅危惧種の多くは陸域に生息しています。そのため、森林をはじめとする陸域の生態系保全が目標15に盛り込まれています。

ikumoriでは特に、針葉樹ではなく、ナラ、ニレ、センといった落葉広葉樹を使用しています。
落葉広葉樹は内装材としての独特の美しさと耐久性を持つ素材であると同時に、自然の中では花を咲かせ、実をつけたり、秋には葉を落とすことによって、土壌を豊かにし、微生物や昆虫や鳥、哺乳類など多くの生き物を育みます。
ikumoriは落葉広葉樹を使用し、使った分量に見合う木を再植林することによって、森林面積を維持し、より豊かな生態系を育んでいくことを目的としているのです。

人の暮らしを守っていくためにも森を守ろう

森林は、気候変動の原因となるCO2を吸収・貯留するだけではなく、山に降った雨を蓄える水源涵養機能を備え、そして多くの生き物を育む貴重な生態系でもあります。人にとっては、キノコなどの食べ物、薬や紙、ikumori製品のような木材製品を生み出してくれるなど生きていく上で欠かせない存在でもあります。森を守っていくことは、地球環境保全だけではなく、人の暮らしを維持していくためにも必要なのです。

SDGs達成のためには、国だけではなく、企業や自治体、NGOや学校など、さまざまな組織の行動と連携、そして一人ひとりの行動も重要です。
ikumoriでは今後も多様な組織、そして一人でもできるアクションを含め、森林保全に役立つ情報を発信していきます。

※1 About the Global Forest Resources Assessment 2020(FAO)
※2 東京ドームの広さは4.7ha。換算すると1年間に100万個、1日に約27600個、1時間に115個、115➗60(分)=1.9個/分。
※3  地球温暖化による生物多様性の危機(環境省ウェブサイト)
※4 The IUCN Red list of threate

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